初夢

1 1月

 用事があって、子供の小学校へ行く。校舎に入り中庭で子供を待つ。他の子どもたちを眺めていると、娘がやってきた。何の話をしたかは思い出せない。学校の話だったか、それとも彼女の仕事の悩みだったか。そうするうちに担任の先生がやってきた。私に手を差し出す。それを見て自分が忘れ物をしたことを思い出した。プログラムのコードか何かを子供に届けるためにここへ来たはずだったが、持ってくるのを忘れたようだ。先生が子供の頬を打つ。子供はおとなしく打たれるままだった。私はそれを見て激高した。気配を察したのか先生が少し私たちから離れた。先生に向かって何を叫んだか、はっきりとは思い出せない。そんなことをしても何も得られないとか叫んだように思う。授業が始まるのか、子供は立ち上がって教室へと帰っていく。座っていた私はこどもの顔を下から見上げるようにして見送る。子供の髪は肩にかかるぐらいの長さで、風になびいていた。雨が降った日だった。校舎の中庭の水たまりを避けながら小学校を後にする。校庭を歩きながら、だんだんと目が覚めたのか、子供が今はもう大学を卒業して働いていることを思いだした。忘れ物を届けに行きたいが、それはもうかなわない。