花は何の象徴か

6 5月

奥さんと子供が,イベントに出かけて行って,花を生けたものを作って持って帰ってきました。

頼まれて,写真を撮ったのですが,それが,だんだんとしおれてきて,それで花のところだけを切ってガラス瓶に入れ,机の上に置きました。

それもだんだんと枯れてきて,でもなぜか非常に美しさを感じて,写真をもう一度撮りました。

以前に,ラジオで生け花の先生が,毎年桜を活けるという話をしていました。自分にとってはチャレンジという意味があると言っていました。同じ頃,「利休」という映画をテレビで見て,利休が桜を生けるシーンがありました(本当は桜ではなく,梅だそうです。記憶違い?)。これは有名な話だそうですが,秀吉が立派な桜の枝を持って,利休のところを訪れます。利休はしばらく考えたあと,せっかくの良い枝振りの桜を,その花びらを引きちぎって水に浮かべ,枝を逆さまに,花が水につかるように置きました。映画も盛り上がるところでしょうが,私も衝撃を受けました。

数日経って,バスに乗っているときに,利休は「死」というものを活けたのだと思って,本来生け花とは「生」を活けるもので,花は生命の象徴だと思い当たりました。バスはちょうど橋にさしかかっていて,まどから河原の風景が広がっていました。河原に広がる草木一本一本が生け花だとしたら,ここにどれだけの意味が込められていることになるのだろうか。