本屋で立ち読みして,買いました。出口なおとは大本教の開祖で,下の写真の文章は,なおが神がかりになるところです。
江戸末期に生まれていて,働き者として藩の表彰を受けるほどだったのですが,父親が急死したことや,結婚相手に恵まれなかったことなどから,だんだんと貧乏になっていきました。二人の娘が発狂したころ,なおは神がかりとなります。「筆先」といわれる書として艮の金神(うしとらのこんじん)の言葉が残されています。その中に「立替(たてかえ)」という言葉があります。この世をすべて作り直すという意味です。この世がすっかりひっくり返って新しくなり,今現在社会の下層にいる貧乏なものが世の上に立ち,まじめに働きさえすれば幸せに暮らせるようになるという預言が書かれています。
神がかりのときのなおの言葉には,これまでのなおの生活が映し出されているのですが,それ故,それはなおの内にあるユートピアを述べたもののように思えます。この本を読んだ後,自分が会う人,それぞれが,どんなユートピアを持っているのか,気になります。