テレビで歎異抄の紹介をしていた。9条で唯円が親鸞に質問をしているところが話題になっていた。
「…. 久遠劫(くおんごう)よりいままで流転(るてん)せる苦悩の旧里(きゅうり)はすてがたく,いまだ生まれざる安養浄土はこひしからず ….」
すばらしい言葉だと思う。解説の人が言った「逆説こそが宗教だ」という言葉が心に留まる。逆説の反対を何というのか分からないが,世の中で通用している価値観とは逆のものでなければ,宗教として意味はないと言っていた。
この世の真理を知ったとして,その人の苦悩が深くなければ,その知識に意味はないと思う。解決すべき問いを持たない人間には,どんな答えも必要ない。